「ストップレベルは百害あって一利なし。」
ストップレベルはスプレッドや取引手数料のように、ダイレクトに損失を被るものではありませんが、トレーダーにとっては”無いに越したことはない”ものです。
本ページでは海外FX業者の選ぶ際にチェックしておきたい「ストップレベル」について解説します。

ストップレベルってよく聞くけどイマイチピンときてない人は必見や!
海外FXのストップレベルとは?
ストップレベルとは、指値/逆指値注文、もしくはストップロス/テイクプロフィットといった予約注文を入れる時に、現在値から予約できる価格までの値幅(pips)のことです。
つまり、「現在値からどれだけ離れた価格に注文しなければいけないか」を表す指標であり、ストップレベルは狭い方がトレーダーにとって有利な取引をすることができます。
例えば、ストップレベルが20ポイントの場合、現在値から2.0pips離れた価格でなければ指値/逆指値などの予約注文を入れることができません。
2.0pipsくらい、取引に影響しないのでは?
このように思う人もいるかもしれません。実際、デイトレードやスウィングトレードをする人にとっては、ストップレベルの数pipsを気にする必要はまったくありません。
ただし、短時間で小さな値幅を売買するスキャルピング取引の場合、 数pipsの差がトータルの収益に大きく影響します。
例)ドル円を1ロット取引する時の損益は1pipsで±1,000円
スキャルピング取引では、ストップレベルが広いほど取引パフォーマンスに与える影響も大きくなるため、スキャルパーにとっては深刻な問題になるのです。
※スキャルパーとはスキャルピング取引する人のこと。
では、実際にどのような取引においてストップレベルに注意しなければいけないのか、具体例をいくつかご紹介します。
ストップレベルに注意すべき取引例
成行注文のみを利用した裁量トレードの場合は、ストップレベルを気にする必要はありません。しかし、以下のような取引を行う場合はストップレベルに注意する必要があるでしょう。
- 指値、逆指値
- ストップロス、テイクプロフィット
- トレーリングストップ
- EA
1つずつ解説します。
指値、逆指値
以下の例を見てみましょう。

こちらのスクショは、GEMFOREXのMT4でドル円(USDJPY)を指値注文する時の注文ボードです。
赤い矢印の部分に以下の注意書きがあります。
「現在値よりから20ポイント圏内の注文はできません。」
20ポイントは「2.0pipsのストップレベル」を表しており、現在値よりも±2.0pips以上の価格でのみでしか予約注文することはできないことを意味しています。
例えば、現在値が100.00円の場合、99.98円以下もしくは100.02円以上の価格でなければ予約注文ができません。
ストップロス、テイクプロフィット
次に、すでにポジションを持っている場合にストップロス、テイクプロフィットの注文をする場合を見てみましょう。

こちらのスクショは、GEMFOREXのMT4でドル円(USDJPY)の売りポジションを保有している時の発注ボードです。
青い矢印で指している入力フォームでストップロスとテイクプロフィットの値を設定(発注)することができます。
上記のスクショは、現在値から20ポイント(2.0pips)の価格にストップロス、現在値から100ポイント(10pips)の価格にテイクプロフィットを設定している例です。
つまり「損失は最大2.0pipsまで許容し、利益は10pips狙いたい」という意図の発注です。ただし、赤い矢印の部分に先ほどと同じ注意書きがあります。
「現在値よりから20ポイント圏内の注文はできません。」
前述した指値(逆指値)注文と同様、現在値よりも±2.0pips以上の価格でなければ発注することができません。
トレーリングストップ
トレーリングストップとは、指定(注文)したストップロス・ラインを相場の値動きに応じて自動で移動(ストップロス・ラインを引き上げる or 引き下げる)させる取引手法です。
以下のチャート例を見てみましょう。

こちらのチャート例では、買い注文時の価格から10pips下にストップロス・ラインを設定しています。
買い注文後、トレーリングストップを設定することで、価格上昇に応じてストップロス・ラインも10pipsの値幅を維持しながら上昇させることができます。
そのため、上記のようなトレンド発生時の相場において、任意の利益幅を確保しつつ、価格上昇に応じて利益幅を伸ばすことができます。て
上記の例のように、トレーリングストップのストップロスを10ppips以上に設定している場合はストップロスを気にする必要はないでしょう。ただし、数pips幅にストップロスを設定したい場合は状況が異なります。
例えば、ポンド円(GBPJPY)などは、ストップレベルが5.0pips以上に設定されているFX業者も多いため、ストップレベルが広い通貨ペアでトレーリングストップを利用する場合は注意が必要になるでしょう。
EA(自動売買)
スキャルピング取引の売買戦略を含むEAやトレーディングストップを利用するEAでは、細かい値幅で売買するプログラムが実装されています。
そのため、ストップレベルの数pipsの値幅によって注文エラーが発生したり、トレーリングストップが機能しなくなるなど、EAのパフォーマンスに支障をきたす可能性があります。
主要な海外FX業者のストップレベルを比較
主要な海外FX業者のストップレベルを比較してみました。
USD/JPY | EUR/JPY | GBP/JPY | EUR/USD | |
XM | 0.0pips | 0.0pips | 0.0pips | 0.0pips |
Titan FX | 0.0pips | 0.0pips | 0.0pips | 0.0pips |
AXIORY | 0.0pips | 0.0pips | 0.0pips | 0.0pips |
GEMFOREX | 2.0pips | 2.7pips | 5.4pips | 2.0pips |
BigBoss スタンダード口座 | 1.0pips | 1.0pips | 1.0pips | 1.0pips |
HoltForex プレミア口座 | 3.0pips | 5.0pips | 3.0pips | 3.0pips |
上記表の通り、XM, Titan FX, AXIORYでは、ストップレベルが全通貨ペア0.0pipsに設定されています。
ちなみに、XMのストップレベルが0.0pipsになったのはつい先日のことです(2021年8月24日)。XMのストップレベル改定については以下のページをご参照ください。

ストップレベルの有無は、海外FX業者を選ぶ際にチェックしておきたい1つの仕様です。ただし、「ストップレベルが0.0pipsのFX業者ならスキャルピングに適しいる」とは必ずしも言えません。
また、裁量取引でスキャルピングする場合はストップレベルを気にする必要はないでしょう。
ストップレベルを確認する方法
ここまでストップレベルについて解説していきましたが、自分の口座はストップレベルがあるのか気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでストップレベルの確認方法を画像を用いて解説していきます。

PCやスマホから簡単に確認できるで
スマホでストップレベルを確認する方法・手順
スマホのMT4アプリを開くトップページ各通貨ペアの気配値が表示されるため、ストップレベルを確認したい通貨ペアを選びます。

「①USDJPY」をタップします。
メニューにある「②詳細」をタップすると「③ストップレベル」が記載された詳細情報が表示されます。

ちなみに、上記スクショはXMのドル円の例になるため、ストップレベルは0.0pipsになっています。
PCでストップレベルを確認する方法・手順
MT4の気配値表示からストップレベルを確認したい通貨ペアを選びます。

「①USDJPY」を選択し右クリックします。
メニューにある「②仕様」をクリックすると「③ストップレベル」が記載された詳細情報が表示されます。

ちなみに、上記スクショはXMのドル円の例になるため、ストップレベルは0.0pipsになっています。
海外FXのストップレベルのまとめ
ストップレベルは、指値/逆指値注文、もしくはストップロス/テイクプロフィットなどの予約注文時に注意しなければならない取引ルールです。
特にスキャルピング取引においては、ストップレベルが取引パフォーマンスに与える影響は無視できません。
ただし、成行注文のみを利用した裁量トレードの場合は、ストップレベルが取引に影響することはないため気にする必要はないでしょう。
現在では、ストップレベルが全通貨0.0pipsに設定された海外FX業者も増えてきています。
ストップレベルがあることにより、ダイレクトに損失を被ることはありませんが、トレーダーにとって”無いに越したことはない”ものです。
海外FX業者を選ぶ際は、ストップレベルの有無もチェックしおくと良いでしょう。