2015年以降、高金利通貨の代名詞はトルコリラと言っても過言ではありません。
トルコリラと言いますと、FXをしている人なら殆どの人が
「金利20%以上もある高いスワップが貰える通貨ね。でも一方的に下落してるし、多少のスワップを貰っても下落幅に見合わないでしょう!」
と言われて、会話は終わってしまいます。
本当にトルコリラは一方的に下落を続けているだけの通貨でしょうか?
そして、トルコリラをトレードしている人、全員が損をしているのでしょうか?
このページでは、 XMの口座を使い筆者がトルコリラを扱った経験を基に、トルコリラを上手に取引する方法を考察してみます。
トルコリラってどんな通貨?
まずは、トルコリラがどんな通貨なのか、ということをまとめてみました。
トルコリラの推移
日本で個人が為替売買を出来る様になった1998年頃です。
日本はバブルが崩壊し、金余り、買い占め日本から、切り売り日本へと方向転換をせざるを得ず、しかし円高が進み成果が中々出ない大不況時代でした。
その頃、トルコもハイパーインフレーションになり、一挙に貨幣価値が地に落ちました。
2005年にはデノミネーションも行い、通貨名も複数回変わるなど、非常に不安定な通貨と言って良いでしょう。

新興国通貨は金融引き締めをせざるを得ず、政策金利は高くなりがち。
そして、貨幣価値の下落を招き、レートは下げ続けるのです。
XMでのトルコリラ
今回検証に使うXMは、トルコリラ/円の通貨ペアは用意されていません。
そのため対円ではなく、ドル/トルコリラ(USD/TRY)或いはユーロ/トルコリラ(EUR/TRY)になります。
トルコリラ/円だと、ロングポジションを持つと高いスワップポイントが貰えます。
今回所持する通貨は、反対のショートポジションを持つことで、スワップポイントが貰える仕組みです。
ドル売りのトルコリラ買い、或いはユーロ売りのトルコリラ買いでのポジション取りになります。
XMでトルコリラのスワップポイント
トルコリラの背景を知ったところで、XMにおけるトルコリラのスワップポイントについて確認してみましょう。
※1万通貨/1日
ロング EUR/TRY | -788円 |
---|---|
ショート EUR/TRY | 462円 |
ロング USD/TRY | -594円 |
ショート USD/TRY | 302円 |
ロング EUR/USD | -119.54円 |
ショート EUR/USD | 54.9円 |
EUR/TRYで1日の貰えるスワップの金額が1万通貨で、462円、USD/TRYは302円、その金額は、魅力的ですよね。

確かに、EUR/TRY・USD/TRYの日足チャートをみますと、一方的に上昇している通貨ペアと見て取れます。

XMのスワップポイントまとめは別記事でも紹介しとるで
XMで実際にトルコリラをトレードした結果
2017年から2018年まで筆者がXMにて、EUR/TRYをトレードした経験を基に、『トルコリラが本当に稼げるのか』ということについて解説いたします。
筆者がXMと付き合いを始めたのは、2011年に金融庁がレバレッジ規制を強化し、25倍までに落とされてしまったのが切っ掛けです。50倍でも不満満載でしたのに25倍など、「もう、やってられない!」と人気業者の『XM』に目を向けました。
筆者は2017年の1月27日、XMに証拠金ボーナスを含めて約30万円預け、その時点で史上最高値を付けた、EUR/TRY4.17232のショートポジションを0.5Lot(1Lot=10万通貨)持ちました。
ここから、暫くは反転し下落するであろうと目論んでの、ポジション取りです。
目論見通りに下落が、始まりました。
月を跨いで、2月23日にヘッジ用にEUR/TRY3.7717にてロングポジションを0.5Lot持ちました。
この時点で30万7千円の含み益を持った態勢で上昇を待つ戦法にしました。

しかし、 筆者はロングポジションを持つ事30日目で、マイナススワップが-10万円を超えてしまい、全ポジションを決済しました。
決済益は27万699円でした。
両建てにしていましたのでレート変動による損益は変わらず、利益は限定されていた筈です。
しかも、XMの場合は両建てにしますと証拠金は0円になり口座維持率に変動はないのです。
しかし、日々、マイナススワップが大きくなっていく恐怖に怯え、それに耐えきれなくなり全決済をしました。
その後、最初の保有ショートポジション4.17232を超えるのに、ロングポジション取得後158日間も要しています。
これでは、完全に利益どころかマイナス決済になっていたでしょう。
この後、筆者はEUR/TRYが急激な上昇をする度にショートポジションを0.1Lot取得し、50pips~100pips下落したらロングポジション0.1Lot保有し上昇を待ち、ショート保有ポジションよりも高値になれば、ロングは決済しショートは0.1Lot売り増しをしました。
但し、前回のマイナススワップが強烈に増える事にこりたため、保有ポジションは0.1Lotとしました。
そして、ロングポジションはマイナススワップが付かない様にデイトレード決済に変更し、動きが無くレンジが続けば1週間程度は我慢し、最悪損切決済もしました。
そんな手法でポジションを増やし、損切も数回し、収支は口座残高が約87万円になり、ショートポジションは加重平均値6.1325で6万通貨となり、2018年8月10日を迎えました。
その日、午後からEUR/TRYは強烈な上昇が始まり、午後11時にバイイング・クライマックスと判断し、ロングポジションを決済しました。
その後、順調に下落し、ひょっとして月曜日は大きな下窓かなと、多少の不安は在りましたが、期待の方が大きかったと記憶しております。
月曜日は上窓が強烈に空いており、筆者のポジションは強制ロスカットをされていました。
本当に、目を疑いました。

口座残高と含み益、ボーナスを足しますと100万近くの余力が在った筈でしたが、後の祭りでした。
取引履歴を見ますと損益が 約-150万円でロスカットの表示が出ていました。
しかし、XMはゼロカットシステムを採用していますので、2時間後には残高0円に修正が済んでいました。
国内のFX業者でこの体験をした人は、追証=借金150万円が発生し大変だったろうと同情いたします。
この項目のまとめとしては、始めはトルコリラは稼ぎやすいと感じ、安易な戦法で臨んでしまい、結果はロスカットです。
そのため、トルコリラは急激な変動対策をせずに持つ通貨ではない=難しい、が、本当のところかと思います。
トルコリラ長期保有シミュレーション
前回の失敗を経験し、十二分にヘッジをさせながらトレードをしないと一瞬で全てが終わってしまうということがわかりました。
其処で先ず、リーマンショック後2009年からのデーターをエクセルに入れ、シミュレーションをしました。

まとめたところで私は、「EUR/TRY」と「USD/TRY」の相関係数の高さに着目をしました。

2009年から約10年間の「EUR/TRY」と「USD/TRY」の相関係数は0.991です。
相関係数は1に近付くほど同じ動作をしますので非常に相関性が高い事が分かります。
「EUR/TRY」と「USD/TRY」のサヤの開きも調べデーターを登録しました。
サヤ幅が広い時は「EUR/TRY」ショート・「USD/TRY」ロング同枚数でエントリーします。
サヤ幅が狭い時は「EUR/TRY」ショート・「USD/TRY」+「EUR/USD」ロング同枚数でエントリーします。
サヤ幅の平均が0.57です、現状ポジションのサヤは0.5ですので平均以下となります。
なので、今回は3通貨ペアでのエントリーになります。
※「EUR/TRY」ショートと「USD/TRY」「EUR/USD」ロングの関係はトライアングル関係になり、全ての通貨がロングとショートを同枚数所有となります。
その為、非常に変動率(ヒストリカルボラティリティ)が小さくなります。
以上のことを踏まえて、シミュレーションをしてみました。
- 証拠金は50万円
- レバレッジ800倍
- スプレッドは「EUR/TRY」と「USD/TRY」は30pips、「EUR/USD」は10pipsに設定
- 2019年9月5日終値データー(この原稿を書いている前日の終値)
- 「EUR/TRY」6.28830で2万通貨ショートポジション
- 「USD/TRY」5.7919で2万通貨ロングポジション
- 「EUR/USD」1.1148で2万通貨ロングポジション
このデーターから、過去の最大利益と最大リスクを調べました。


このシミュレーションで「EUR/TRY」ショートと「USD/TRY」と「EUR/USD」のロングを同枚数持つことで、過去データーからは513,988円の最大利益が見込め、-93,137円の最大損失のリスクが有ります。
※登録したシミュレーションデーター内には2018年のトルコリラショックも含まれます。
※もちろんロング側のマイナススワップが発生しますので、ロング側は、短期で決済を繰り返す事は変わりません。
2009年1月2日終値で「EUR/TRY」を売り続けた場合

今回収録したデータは、2009年1月2日終値~2019年9月5日終値です。
2009年1月2日終値データー「EUR/TRY」2.1466で1万通貨のショートポジションを取得し、2019年9月5日まで保有した場合。
2019年9月5日までの損益(期間:3,898日間)を出してみましょう。
- プラススワップ=462円(現在のスワップポイントで計算)
- マイナススワップ=-789円(現在のスワップポイントで計算)
- 「EUR/TRY」2.1466で1万通貨ショート(スプレッドは30pips見ています)
- レート変動最大損=-963,744円
- スワップ益=1,800,876円
- 合計損益=837,132円(スワップ益が大きい)
100万円入金してわずか1枚ですが、ショートを持ち続けただけで837,132円の収益が出せます。
注)スワップポイントは政策金利の変化により、日々変わる可能性があります。

逆に「EUR/TRY」2.1766で1万通貨のロングポジションを3,898日間保有した場合を見てみましょう。
- 「EUR/TRY」2.1766で1万通貨ロング(スプレッドは30pips見ています)
- レート変動益=936,661円
- スワップ損=-3,075,522円
- 合計損益=-2,138,861円(スワップ損が大きい)
マイナススワップの破壊力の大きさがデーターとしてよく表れていると思います。

まとめ
第一次世界大戦で敗戦国となったトルコは、100年間地下資源の採掘をしないというローザンヌ条約には明文化されていない、密約がありました。
期限が切れる2023年に向けて、石油の採掘調査が始まっているという情報も入ってきました。
日本と比べますと土地も広いですし、中東とも接していますので石油が沢山出そうな気もしますね。
油田埋蔵量と採掘に掛かる対費用効化はどうなのでしょうか、疑問も残ります。

ただ、地下資源の採掘が成功しますと、トルコの景気が上向き、一方的に下落を続ける通貨で無くなる日も来るかも知れません。
結論としまして、現在の政策金利が続く限り、EUR/TRYはショートポジションを持てば、変動リスクよりもスワップ益が大きく収益に出来ます。
今回の検証では、インカムゲインとキャピタルゲインの戦いは、インカムゲインの勝利と報告させて頂きます。
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